去年から自動車業界が <一時的に> 黒字経営となったことは周知のこと。
バブル崩壊後、そしてリーマンショック後、何十万人という社員・非正規社員の首切りが行われた時代と比べ、現在、人手不足に悩まされている。
特に、まさに働き手の30~40代前半の人手が足りないことが切実な問題となっている。
http://www.asahi.com/articles/ASG735D5DG73OIPE01D.html
製造業求人サイト「工場ワークス」では、トヨタは特別手当10万円、マツダは入社祝い金20万円、富士重工業は面接の交通費5万円の支給等々、口先のいいことばかりを述べている。
実情はどういう状況なのか?
生産現場= 工場 では、人手不足による長時間労働が強いられている。しかも賃金・労働条件は最悪で、労働基準法に違反スレスレの場合もある。
たいてい、工場勤務の労働時間は、午前8時前に始まり、毎晩午後11時近くまで仕事をすることが恒例となっている。 もちろん、昼食時間・トイレに行く時間を除けば、ずっと立ち続けの毎日だ。
また、人手不足のため、会社の労働基準や労働基準法で定められているはずの週休2日も守らてれいない。
中には、熟練工は徹夜で働く日もある。
24時間工場がフル活動のところが多く、2交代、3交代制で、週単位で就業時間が変わるため、健康維持も難しい。そんな状況の中、家族との生活時間も十分にとれていない悪状況。
トイレに行くのも、いちいち上司にその旨を伝え、了解を必要とする。(生理現象にまで個人の人権的自由を奪われなくてはならないのだろうか?)
賃金の面では、自動車業界の工場勤務は安月給で有名。手取り月20万にもなってない。
http://www.mynewsjapan.com/reports/1394
http://www.magazine9.jp/interv/kamata/index1.php
国内の自動車販売数は、長期的な伸び悩みで、国内の経営は非常によくない。
では、なぜ最近、黒字経営を発表しているのか?
それは、コストカットができるアジア・インド・ブラジル等での部品生産や、海外での車販売の上昇が影響している。
ただ、この状況も一時的な黒字とみている。
なざなら、消費増税後、国内の自動車販売数はますます減少している。
そして、軽自動車への車税の導入も含め、日本人の車離れに一層拍車がかかっている。
また、日本以外での工場で、部品生産がされている企業が多いため、コストのかかる国内の部品製造会社は、経営状況が非常に厳しい。
http://www.asahi.com/articles/TKY201312110119.html
こんな悪条件で、賃金も低い工場には、長く勤めようなんて気にもならないだろう。
人手不足の時には、あま~い広告文句で従業員を雇い、経営不振・悪化になったとたん、従業員を何万・何百人と切ってきた自動車業界に対する信頼はできるのだろうか?
実際、リーマンショックで退職を迫られた人たちが起こした自動車業界で首を切られた人たちの事件を思い出すと、自動車業界に対する不信感は募るばかりだ。
例えば、記憶に新しいのは、<日産自動車社員による、企業秘密データの社外への持ち出し>。
http://www.asahi.com/articles/ASG5F5SHSG5FULOB02N.html
社員の犯行が明るみにでたとたん、有無を言わさず<即、解雇>。
あれだけ騒がれた事件だったのに、その後の社員がどうなったかは、一切報道されていない。
考えられることは、<お金>の力で報道・広告業への口止めが考えられる。
また、もう少し古い事件だと、<秋葉原の無差別殺傷事件>。
http://www.magazine9.jp/morinaga/dai027/dai027.php
彼も、トヨタ自動車傘下で働いていた派遣社員である。リーマンショックで、解雇になったことが原因で起こした事件だ。
この事件でも、彼が勤務していた企業名はほとんど報道されていない。おそらく高額な口止め料が報道機関へ支払われたのだろう。
このような悪条件な自動車業界で、人手不足で従業員を年がら年じゅう募集しているが、ほんとうにこのようなブラック企業で働きたいと思うだろうか?
スポンサーリンク
コメント 0